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不思議な一人遊び [俯瞰日記]

 小学生の頃、たぶん僕だけの不思議な遊びがあった。
 広い運動場の中で、只一人、勢いよく、まいまい回転をする。
 ここまでは、子供が普通によくやることだ。
 
 僕は偶然、その遊びの中で、人間の運動感覚機能がもたらす奇妙な経験をした。
 まいまい回転をして、目が回ってまともに立っていられない状態の時、僕はなんとなく地べたに寝転んでみた。
 
 その時、それは起きた。
 自分の体が、地べたを横にゴロゴロと勢いよく回り始めたのだ。
 それは、自力で回るというより、何らかの力が外から働いて、僕を無理やり、ゴロゴロ転がしているという感覚なのである。
 ある種、神秘体験的な感覚。
 おそらく、目が回っていない普通の状態で寝っころがって、故意に、横に回転しようとしても、あの勢いは出ないだろう。
 
 自分の中のあくまで主観的な感覚を楽しむゲーム。 
 僕らしい孤独な遊びだ。
 集団ではできない。互いにぶつかる可能性があるから。
 相当広い場所を、一人で独占する必要がある。そういう意味では贅沢なゲームかもしれない。
 
 あれから、長い年月が経った。
 たまに、その時のことを思い出すことがある。その度に、今また同じことをやれば、あの時と同じ現象が起きるのだろうかと考える。
 周辺に人や障害物のない、ある程度広い平地があったら、すぐにでも実験できるのだが、結局、小学校を卒業して以降、一度もやっていない。
 誰でも、同じようになるのかどうかも、実験して確かめてみたいとも思う。
 
 なぜか、この不思議な現象が起きる遊びのことを、僕は誰にも話さなかった。
 これを読んだ方は、ぜひとも、実験してもらいたい。
 体験したら、なかなかサプライズな現象だから。

 

 

 

 

 

 

 


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