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『無気力一代男日記』 4.自由度は上々なり [俯瞰日記]

 望み続ければ、叶うものだ。
 生計は立っている。そして、自由だ。所属する会社の特殊な事情によって。
 自由でいること。凡庸で幼稚な望み。
 だが、ほとんど、その望みしかなかった。
 この事実が、あるいは決して凡庸でないケースに出合わせたのかもしれない。
  
 今の会社は、僕にとって自由である。
 今や2日足らずの現業の日以外は、何時に出社しようと何時に帰ろうと自由だし、基本的に、僕に指示を与える人もいなければ監視する人もいない。
 
 この自由さと引き替えになっているものがあるとしたら、給料の安さだろう。
 といっても、いわゆるワーキング・プア並みということではない。ポンとマンションを買えるところまではいかないが、国産の乗用車くらいなら即金で買っても日々の生活に支障がない程度の安定はある。
 週2日足らずの現業と、あとは、ほとんど自由時間となっている事務所勤務。
 悪くない生活だが、これでは、あまりに‘見栄え’が悪いし、まるで穀潰し息子だ。
 もう少し現業業務に携わる必要がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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