愛すべき欺瞞 ⅰ [見て取られた自己]
僕が君に出会う。
君が僕を一瞥する。
その時、君の主観では、僕と出会っていない。
君は、光景の中の一対象物を見ている。店の看板。信号機、街灯、横断歩道。
君は、自分の基準から外れているから却下したという認識自体がない。
悪気のないノーカウント。
君は、君自身の中に差別感覚を持つことはない。
そして、君は無邪気に言う。
「出会いがないのよ、だいたい。」
愛すべき欺瞞とは、そういうものだ。
僕は、たくさん出会っている。
そして僕は、一人だ。
誰のせいでもない。
君が僕を一瞥する。
その時、君の主観では、僕と出会っていない。
君は、光景の中の一対象物を見ている。店の看板。信号機、街灯、横断歩道。
君は、自分の基準から外れているから却下したという認識自体がない。
悪気のないノーカウント。
君は、君自身の中に差別感覚を持つことはない。
そして、君は無邪気に言う。
「出会いがないのよ、だいたい。」
愛すべき欺瞞とは、そういうものだ。
僕は、たくさん出会っている。
そして僕は、一人だ。
誰のせいでもない。
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