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ジョージア エスプレッソデミタス [缶コーヒーな日々]

 一人焼肉した。
 一人で焼肉屋に入って一人で焼きながら食べるという、やや勇気のいる食事だ。
 ランチタイムだったので、大して違和感ないだろうと思って店に入ったが、なかなかキツいものがあった。
 隣のテーブルは女性の一人焼肉だった。程なくして、その人が食事を終えて出ていき、空席になり、多少、気楽にはなったが、それでも、いつもは至福の時となる読書&ビール(と食事)が楽しめなかった。
 また、焼け具合を見ながらだと読書は集中できないので、結局、どちらも中途半端になる。僕の場合、人目が気になるということもさることながら、そういう実際的なデメリットがきいていたのかもしれない。
 
 店を出て、缶コーヒーを飲んだ。
 「ジョージア エスプレッソデミタス」。
 基本的に僕は、ジョージアシリーズは、ほとんど飲まない。
 このシリーズは、総じて香料感が強いからだ。
 あたりまえのことだが、製造者側がコーヒー感そのものを高めるには、コーヒー豆を多く使う必要がある。しかし、原材料の中で一番、単価が高いのは、当然、コーヒー豆なのだから、コストパフォーマンス上、これの比率を下げれば下げるほど、利益率は上がることは自明の理である。
 このジョージアシリーズは、コカコーラ ナショナルビバレッジという最大手級ブランドが作る相当な大量生産を前提とした缶コーヒーである。つまり、利益率の微小な変化が、トータルの純益に大きく影響するということは想像に難くない。
 おそらくだが、コカコーラ ナショナルビバレッジは、メーカーの資本力に物を言わせて、香料の研究開発に、かなりの人材なり研究費を投入しているのではないか。
 缶コーヒーに入っている香料の役割は、コーヒー豆それ自体が出すコーヒー感を補強するためのものと言えるだろう。
 仮に十分なコーヒー豆を使用した缶コーヒーを、ぎっしりとコーヒー豆で埋め尽くされた絵に例えると、平均的な缶コーヒーの絵は、コーヒー豆の部分がストライプ状に入っていて、それ以外の部分は、コーヒー豆そのもののリアルな描写ではなく、ベタっとしたこげ茶色の単色なのだ。この単色部分、つまり埋め合わせ部分が香料ということになる。
 この香料の研究者たちの課題は、この絵全体を、いかにコーヒー豆そのもののような絵に仕上げるかなのである。
 しかし、所詮、香料は、どこまでも香料である。
 コーヒー豆のキレを出そうとしても、やはり、そこは、キレの質がフラクタルな天然色ではなく、ポスターカラーのベタ塗りなのである。
 只、この「ジョージア エスプレッソデミタス」は、上記の宿命的な欠陥を、2つの点でカバーしている。
 まずミルク感が高いこと。それにより、コーヒー豆そのものの味わい以外のところに、香料だけではなく、牛乳が味の存在感を出している。このことによって、エネルギー表示が、36kal/100gと、やや高めである。が、甘ったるくない(参:「缶コーヒー中毒」)。2つ目は、デミタスというネーミング通り、缶が小さく、全体の容量が標準より少ない分、コーヒー豆自体の味の密度が上がっているということ。
 他のメーカーでも、缶コーヒーのネーミングにデミタスという単語が使われているものは、総じてミルク感が高い。デミタスとは小型のコーヒーカップという意味なのだが、それが、ミルク分の内容量とどう関係するのかは分からない。もし知っている人がいたら、ぜひ教えてほしい。
 とにかくそんなわけで、この「エスプレッソデミタス」は、僕にとって、ジョージアシリーズの中では、かなり珍しい及第点超えの缶コーヒーと言えるだろう。
 
 ちなみに僕は、食後のコーヒーを飲む時は、その直前に、つまり料理を食べた直後に敢えて水を口にしないようにしている。
 料理の後味を口に残したまま、コーヒーを飲みたいからだ。最初の一口目は、ある種、味のコラボである。ここは、僕にとって重要だ。
 そういう意味で、脂っこい料理の後は、僕はミルク感の高いものが欲しくなる。だから焼肉のあとに、この缶コーヒーを選んだ。
 意図通り、いい後味を残した。

 

 

 

 

 

 

 


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