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サービス精神 [見て取られた自己]

 僕は、昔からサービス精神が希薄だった。
 たとえば君が、そういう僕と数時間2人っきりで過ごさなきゃいけない局面に立たされたら。
 どうする? 僕は君を楽しませる自信は、まるでない。
 只、その間じゅう、僕が君を楽しむ自信は、掛け値なしにある。
 そんな僕。エゴ丸出し? 自己中心性の権化? 私は遠慮したいって?
 かもね。
 でも、単純に非難されるだけのことでもないと、少し思っている。
 ずいぶん前のことだけど、僕は塾講師をやっていたことがある。子供と1対1で相対した時、僕は、その子のことを、その存在のレベルから勝手に楽しんでたんだ。きっとその子への一般的な気遣いやサービス精神は、その頃も、やっぱりなかったし、持とうと思ったことすらなかった。
 只、僕は単純に、それぞれの子の個性を愛らしく感じていた。
 今の君のように普通の感性を持った大人の人にとっては迷惑な話なんだろうけど、僕がその時見た感じでは、目の前の子供の表情に、何か独特の安心感を見て取れた気がした。塾とはいえ、一応、教育機関だから、あるべき理念、達するべき目標を指し示すのが第一だったんだろうけど、それより僕は、その子の、何というか、自分の自我が支えられた時のあの安堵した表情を見るのが好きだった。
 僕にできることは、それだけだった。だから、子供たちのそれぞれに対して、何か具体的に鼓舞したり、元気づけたりすることもしなかった。僕にそんなあり方をもたらしていたのが、つまり、この持ち前のサービス精神のなさだった。
 君を心から楽しんでる。
 僕にできることは、今でも、それだけ。
 そして僕は、君が僕に求めているようなサービス精神を、君に全く求めていない。
 
 このようなパーソナリティが僕の中に生まれたのには、理由がある。
 別に聞きたくないか。
 では、そのことは、またいつか。

 

 

 


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