戦ってみるか ─僕とシャープの100日戦争─ ⅵ [怒りのツボ]
僕が、この問題の携帯端末 (W-ZERO3 Advanced [es]の極めて稀な不良品(?!)) を送付した翌日に、さっそく、シャープの修理担当者から電話が入った。
かなり恐縮している様子が感じ取れた。
どうやら、音跳びに関して、僕が、どういう状態を指摘して問題にしているのかを認識できたようだ。
そこがクリアされているのなら、とりあえずは、また相手を言葉でぶちのめす必要はないだろう。
正常に動作することが確認された新品を送ってくれるという。
やれやれ、新品は、これで3台目だ。
今回、再度、シャープの修理担当者に確認してもらったサンプルの動画データを、僕がどんな状態で録ったのかを聞いてきた。
それは、市販の音楽CDを再生させた正常な音を、作動させているラジカセを写しながら録ったものだ。
CDラジカセのボリュームは、半分より大きかったのかなどといった質問をしてきた。なんとか、こちらの録音時の問題を探し出そうとしているようだ。
気持ちは分かるが、異常なボリュームで録ったかどうかは、再生時の音量と音質で分かるはずである。音量は、むしろ標準よりやや小さいレベルで録ってある。また、例えば、ラジカセのスピーカーに、この携帯端末のマイク部を異常に近づけて録るなどといったことは一切していない(そんなことをすれば、おそらく再生時に音が割れてしまうだろう)。
僕は、只、この製品(W-ZERO3 Advanced [es])の機能を使って、普通に活用したいだけである。
そのために、この携帯を固定した状態で自分の声を生録したり、音楽CDを再生させた音を録音するなど、既に何度も、僕は実験を繰り返している。
その結果、この製品(W-ZERO3 Advanced [es])は、そのようにわざわざ設計、製造したのではないかと勘ぐりたくなるくらいに、確実に音跳びを起こす代物であることが分かったのである。
百歩譲って、もともとその程度の製品であるということを、シャープが認めるのなら、少なくとも論理の筋は通る。
が、シャープ側は、そのような報告は全く受けていないし、基本的に音跳びは全く起きないはずだというのだから、それなら、徹頭徹尾、僕は、シャープに、その音跳びを起こさない製品を求めるしかない。
シャープ側の主張が確かなら、通常、まず起こりようのないことが、僕個人の手に渡ってきたものに関してのみ、2回連続して起きたということになる。
やや都市伝説めいてきたが、シャープが、そんな荒唐無稽な解釈を僕に強いるのなら、それもいいだろう。その狂気さが面白いと言えなくもない
とにかく、音跳びしない確認済みの製品を、向こうが送るというのだから、それに対して、電話で、とやかく言っても仕方がない。
僕は、柔らかい口調で、「そちらで音跳びが起きないことが確認できた製品を送っていただけるのでしたら問題はないですよ。」と言った。
もちろん、きちんと機能する製品が送られてくれば何よりではあるが、今や、僕は、経験則的に、また常識的に信じがたい。
もし、その3台目で、音跳びが一切しなかったら、それこそ奇跡だとすら思える。そうなれば、それは、現在、市場に出回っているW-ZERO3 Advanced [es]ではない別な何かである。
僕の大人としての理性は、当たり前の結果を予想している。だが一方で、100パーセント、そうであるとは言い切れないと、僕の童心が、奇跡を夢見ている。
とりあえず、僕の側に非が全くないことはありがたい。
只、無邪気に、冒険に突き進めるからだ。
あれ、この戦争の目的はなんだったっけ?
存在としての世界が提示する、人間と正義の関係の意味、その真の答えを‘見る’ことさ。
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