戦ってみるか ─僕とシャープの100日戦争─ ⅸ [怒りのツボ]
シャープの修理担当者から、半月ぶりに電話が入った。
前々回のこちらの要望((参:「戦ってみるか ⅶ」)に対する無反応(残酷な不作為)を見た時から、僕の切なる訴えが引っかかるための良心が、その欠片すら、彼らにないことは、既に明らかだった。
それを前提にした次の訴えを、僕は暑中見舞いの形で出し、それへのシャープ側の驚くべきリアクションは前回記した通りである(参:「戦ってみるか ⅷ」)。
只、その暑中見舞いの文章には、相手の記憶に中にハーケンのように引っかけておく言葉を、僕は仕掛けていた。
「このまま使用できない状態で放置されれば、その期間に比例して、購入者の実質的な損害が増大してゆきますが…」
の部分である。
これは、相手の不作為という事実の経過時間そのものに意味を持たせたということである。
これにより、相手に良心がなくとも、人間の真っ当な要望に反応する可能性が生まれる。良心ではなく、シャープ側の損得勘定をフックにしたのである。
この暑中見舞いに対する前回のリアクションも、今回かかってきた電話も、その動機は、とにかく問題を処理してしまいたいという機械的精神反応である。
前回の電話の切り際に、僕は、「どうすべきか、そちらで考えて下さい。」と、一応言っておいた。
今回、その答えとしてシャープが出してきた提案は、今、問題をなっている機種(W-ZERO3 Advanced [es])の次の最新機種(WILLCOM 03)を提供するので、それを使ってくれないかというものだった。
アイデアとしては、予想していた。
今年発売されたこのWILLCOM 03は、当然ながら、性能、使い勝手ともに進化しているので、客観的条件としては悪くない。
僕は、それを受け入れることにした。
その途端である。シャープのその担当者は、W-ZERO3 Advanced [es]に関する見解を再び引っくり返した。
W-ZERO3 Advanced [es]という製品そのものは、録画機能に関して音跳びをするという欠陥は、やはり持っていないと言ってきたのだ。つまり、今回の音跳びの原因は、全て僕個人の録画のしかたにあるという結論で収めようしてきたのである。
しつこいようだが、そこは納得できない。
だったら、本当に、現実に音跳びしないW-ZERO3 Advanced [es]を目の前に出してみろということだ。音跳びが決して起きない何万台というW-ZERO3 Advanced [es]の中で、ある一人の人間が使う時にのみ、それが起きるというのか。オカルト番組じゃあるまいし。なんなら公開の場で実験してもいい。
改めてそう主張しても、その担当者は、やはりそこを譲らなかった。前回、確か、これは製品(W-ZERO3 Advanced [es])そのものの限界であると言っていたはずなのに…。あまりの論理矛盾を前に、もはや、相手がどこまで本気で言っているのか分からなくなってきた。
結局、今回、使用を提案してきた機種WILLCOM 03と、(建前上?)よほど自信があると見えるW-ZERO3 Advanced [es]の両方を送ってもらうことにした。
僕はW-ZERO3 Advanced [es]をほとんど使っていない。そして、次のWILLCOM 03を使うことになる。
決着のしかたそのものはつまらないものだったが、その過程で、僕は、人間、社会、世界の現実を学べた。あるいは、改めて確認できたと言うべきか。
WILLCOM 03も、W-SIMが共通なら、それを出し入れすることで、僕は、3種類のWILLCOM端末を使えることになる(参:「戦ってみるか ⅲ」)。戦利的に言えば、この戦争は勝ったことになるのだろう。
あまり充実感はない。たぶん、本当の戦争の勝利も同じ感覚なのかもしれない。
善意も、サービスも、一般に愛と呼ばれるものも、全てが市場に乗り流通するこの世界の中で、僕は、犀の角の如く、ただ一人、こんなふうに、行為で問いかけ、結果で学んでいくのだろう。
使用できる多様な機能の内、一部の機能の一部の動作の一部の箇所について、期待するものでは無いだけの事で、代替機まで提供されていながら、相手の言った事が納得できないと、終わりの見えてない対応を続ける。
Adbansd[es]の性能はどこまでかを自分で見極めて、実現範囲内で使う方が楽しくないですか。
ゴネて、新品の機器を複数ガメましたか。まぁ、幸福は個人的な何かなんですけれどね。
by ラ・モル侯爵 (2008-08-10 17:07)
コメントありがとう。
やれやれ。僕のやったことを、‘暴力団のイチャモン’のようなものとして理解したわけですね。
最後に‘戦利’という言葉を使ったからかな。
おおざっぱですね。O型でしょう? (参:「ねぇ、血液型は何?」)
by JulienSorel (2008-08-10 18:50)