僕は、「離人系」 2 [見て取られた自己]
「あなた、自閉症?」
繰り返すが、小学校低学年の僕への問いかけだ。
残念ながら、その時どんな状況で、どんな話題の中で、彼女からその言葉が出てきたのか思い出せない。
あとで思うとだが、小学生相手に、その親もいる前で、「あなた、自閉症?」と言ってしまうそのメンタリティは、とりあえずユニークだ。
自閉症という言葉を僕はかろうじて知っていたと思うが、やはり、その言葉にショックを受けたり、傷ついた記憶はない。
もちろん、僕は近所や学校の友だちと普通に遊んでいたし、ましてや、客観的に自閉症を疑うべき局面に立ったことは、これまでも皆無である。
とはいえ、そのユニークなオバサンは、他人とまともなコミュニケーションが取れないといった、いわゆるキチガイではないし、‘まじめに取り合うべき人ではない’というような周囲の共通認識があるような人でもない。少なくとも話し方はソフトだし、ごく正常な人である。残念ながら、と言うべきかもしれない。
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