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スマップ中居君をも猛勉強させた池上彰的潮流 [いつまでたっても テレビっ子]

 民主主義が正しく機能するか否かは、一人ひとりの民度にかかっていることは、その思想が考え出された時からの前提である。
 日本というこぢんまりした国で、教育水準も高く、しかもインターネットがこれだけ普及すれば、直接民主性も、システムとして可能な時代に入った。
 だが、直接民主性が、いかに危険か、インテリでなくとも、ある程度の想像力のある人なら分かる。
 細かな社会政策なら、やってみなければ分からないという面が多々ある。
 よかれと思って行った立法が、うまく機能しない場合もあるし、あらかじめ悪く働く可能性を心配していたが、やってみたら杞憂に終わることもある。
 しかし、憲法の内容や国防のあり方など、重要な案件に関しての決定に際しては、民度の確かさが抜き差しならない重要性を持つ。
 
 民度を上げる。
 基本の基本のこと。それこそが、絶望的に難しい。
 最も単純なことが、最も難しい。
 それは、芸事、職人芸といったあらゆる文化的行為に通じることでもある。
 
 最近、テレビで池上彰がクローズアップされている。
 彼は、今、日本で、いちばん尊い仕事を担っているのかもしれない。
 それは、社会的、あるいは政治的リテラシーの底上げという、民度の向上のために最も重要なのに、実効性が伴いにくい最も骨の折れる作業だからだ。
 
 彼が役割として、それが成せているのは、国民一人ひとりの現実的不安が一定レベルを超えた今だから可能なのだろう。
 10年前だと、折々の社会問題に関して、基本的な用語の説明や、起きていることの意味を解説するといった番組が視聴率を取れたかどうかは怪しい。
 
 今、日本に希望があるとしたら、池上氏を起用するテレビ番組を、国民が、ある程度の視聴率という形で支えているという事実だろう。
 民主主義国家の成功は、それが代議制であっても、一人ひとりの参加意識にかかっていることには変わりない。
  
 先日、スマップの中居君司会の政治解説番組(補佐に池上氏が据えられていた)を見た時、改めて、この日本は、世界的な視野から見て、ユニークで尊い国なのだなと思えた。
 やや差別的表現だが、ナイーブな女子供の象徴のような柳原可奈子が、「そういうことだったのかぁ。」と納得の大声を上げている光景は感動的ですらあった。

 社会で起きていることの意味を知りたい人が多くいるという事実は、その社会、あるいは国家の資質を示していると言っても良いだろう。
 そんな資質が日本人にあったことは、正直、僕にとって、いささか嬉しい誤算である。
 
 お人好しで、自虐ネタが好き。そんな日本人に苛立つこともしばしばだが、上記のような状況を見て、この日本という国は、生まれ育った土地だからという根拠だけではない愛国心を持ち得る国である、という思いを新たにした。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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